楽譜・版権・お教室

鍵盤音楽

 何やら三段話めいたタイトルにしてみましたが、「嗚呼そう言えばっ」と思われたのはピアノの先生方だけでしょうかね。筆者自身でさえ何年前の事だったか曖昧です。でも短く見積もって2~3年、長めで5年前という位だろうか。決して遠い昔では無かったはずです。訳ワカメの前置きはこれ位で。

 ある日突然、日本音楽著作権協会(以降JASRACと略称)が、ピアノ教室で使用する楽曲にも「カラオケ店と同様に作品の版権使用料を徴収する」と言い出した。これは当時そこそこ騒動・論争になったもの。が、本当に日本人の悪いクセなのかイパ~ン大衆の習性なのか、まっ、その両方なんでしょうけど、結局何の結論もないまま放置されて今ではすっかり忘れ去られています。という事はお教室にJASRACの取立て屋さんは来なかったってことですね。あの時それこそ世間ではJASRACが血も涙もない悪代官の権化みたいに非難を浴びせられました。「お教室を潰すつもり?」「家計も圧迫されるのよ」「(著作料の)安いつまらない曲しか教えられない」とか。でもハッキリ申し上げる。JASRACを悪者扱いにするのは的外れもいいとこ、本当の黒幕は全然ちがうモノなんです。喉元過ぎたら何とか忘れて、の諺通り平穏無事な今のうちに、この事について言及したいと思います。いずれまた浮上しかねない問題なので。

 この問題はピアノ指導者・お教室のフトコロを直撃するのだから現場の方々がナーバスになるのは当然である。そうでなくとも少子化・他の習い事の多様化で、ピアノのお弟子さんを確保するのがドンドン困難になっていく時代なんだから。しかし、お教室の衰退によって経済的に行き詰まる存在もあることに気付かれるであろうか?そういう想像を働かせないようにしたいからこそ、JASRACを矢面に立たせて自分の存在を隠している連中がいる、と。「う~んピアノ製造会社?ヤ○ハとかカ○イとか。」それぐらいは思い浮かぶでしょうが、それと同様の構造を持つ産業がもうひとつある。「楽譜屋さん?」ズバリ正解!左様、数々のピアノ曲集を発刊・販売する楽譜出版社も痛手を被ることになるって、既にそうなってます。そしてピアノ教室の危機は何も社会情勢のせいだけではない。凄く悪口的で辛辣なんだが、言わざるを得ない。そのための自分の情報 = 意見の発信場所でもあるので、大炎上覚悟で提起しよう。他の習い事に比べて、ピアノはツラい、苦しい、つまんない。ピアノ教育界の現状を俯瞰して見よう。

 お教室に習いに行く→テキストである練習用の曲集を買う→練習する→三重苦→辞める→練習曲集が売れなくなる

 ↑ざっとこういう負のスパイラルに陥っている。そんな中で、現場の先生方は良く奮闘していると感心します。これまでのピアノ三重苦を少しでも低減させていくよう、本当に地道なテキスト吟味をしている。さすがに昔ながらのバイエル・チェルニー・ハノンでは生徒さんたちがイヤになっちゃうのを身にしみて分かってらっしゃるので、ディズニーやジブリのような子供たちに人気のある曲をドンドン取り入れている。またギロックやトンプソンなど新しい(わけでも無いんだが)曲集にも移行しつつある。

 そうなると長年、そう、百年もの長きに渡って三重苦練習曲を売り続けてきた老舗の楽譜出版社は加速度的に苦しくなっているから、巻き返しをはかって来るのも当然であろう。彼等だって本国の楽譜出版社に相応の版権料を支払っているのだから。劇団四季があれだけのロングランを敢行するのも、ブロードウェイ等への莫大な使用料支払いがあってのことだ。でもなぁ、そのための夢よもう一度の手段に、お教室から有名曲の使用料を払わせるって、違うんジャマイカ?もうチェルニーで食える時代じゃ無くなった、て事を認めなきゃ。現場の指導者も生徒さんも、もう騙されませんよ、易々とは。という訳で、ここで黒幕の超具体的な名前が出ちゃいますね。そう、三重苦練習曲の販売者さんたちでした、チャンチャン ・・・ と思いきや、ちょいサプライズの逆転劇が起こる。日本が誇る世界最大のピアノメーカーさんが三重苦練習曲出版社を買い取ってたんですね。う~ん流石!かくしてこの話はプチエンジェル事件の如くもみ消されたのでありました、だから人々から上手く忘れ去られることが出来たんだ、めでたしメデタシ。でも油断ならないよ。今この瞬間がピアノ教育一大改革絶好のチャンスであることを噛みしめ、行動していきましょう。えっ、何をすれば良いかって?先生、あなたご自身で生徒に喜ばれる練習曲を作ればいいんです。ではまた!

追伸。ここまで書いて「何かこういう現象、他にもあったような」と思いめぐらせていくうちに、デフレ不況下なのに消費増税する日本経済とアナロジカルな関係であることに気付いた次第。経済学者・三橋貴明先生のブログ読んでる影響なのかも。

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