マスメディア論の落とし穴

マスコミ論

 二ヶ月も、経っておらずや都知事選。なのに、遙か遠い昔のようです。ですが何という盛り上がりに欠ける選挙戦であった事か。これがマスメディアの常識的すなわち我々イパ~ン的ニホン人が漠然ながら抱いている、メディアがメディアたる「メディアの機能&役割」を放棄したせい、とは随分言われましたね。でも「機能と役割」のイメージ自体が間違っているのではないか、むしろメディアは常にメディアたる、もっと全然別の「機能と役割」を、ちゃんと果たし続けているのではなかろうか。その事を考えてもらえる都民にとっては良き機会かな、と思い、それこそ今回の知事選の記憶が完全に風化してしまう前に提起したいと思う、否、もうとっくに風化しているが。

 1960年代、欧米では社会学のカテゴリーでボチボチとマスメディア論の研究が盛んになってきた。主だった学者にダニエル・ブーアスティンとマーシャル・マクルーハンがいる。この二人の立場は不思議なことに、どちらもマスコミの本質的メカニズムについては殆ど同じ事を言っているにもかかわらず、ブーアスティンはそれを否定的に、マクルーハンは肯定的に説いているのだ。まっ、閑話休題(ソレハサテオキ)。彼等はいったんマスコミのメカニズムを「大衆の不特定多数の最大公約数的な願望がメディアに表出される」と定義し、実際のマスコミは、この定義からわざわざ外れた動きをすることがある、と述べているんである。ん、分かりづらい?じゃあ具体例をあげましょう。例えば大地震とか台風とかで犠牲者を出した家族に対して、インタビュアーやレポーターが遺族の鼻先に「今のお気持ちは?」ってマイクを向けるのゼッテーやるでしょ、ってか止めないでしょ、一向に。見てて凄く腹タツノリなのに。で、そのあと新聞の投書に、あ、この頃は yahoo のコメント欄でも「レポーターの失礼な態度が許せません」て意見を、これまたゼッテー免罪符的に掲載する。もしマスメディアが我々イパ~ン人の内、わりとインテリな人が説くような「視聴率のため」、「商売のため」、「企業経営のため」、「株主のため」という資本主義の論理・倫理に則っている、というならば、視聴者が嫌うレポーターの存在や活動は報道・放送しないはず。だってわざわざ不快なシーンなんて視ないっしょ?どんなに商業主義的な活動が主体的であったとしても、この一点を以て其れが幻想に過ぎないことに気付かないといけない。「でも(CM)スポンサーの意向に逆らえないからじゃない?」いいえそれも違います。広告って視てもらうために打つのでしょう?提供している番組が視聴者にそっぽを向かれるようなコンテンツならば、なおさら企業はスポンサーになんかならないはず。ハイもう気付きましょう、そして騙されるの止めましょう。マスメディアの行動様式の本質。それは視聴者の願望を満たすためではない。そう見せているけれども、もっと全然別の目的で動いている、と。で、それは何かって事に向き合ってみましょうよ、って提案なんです。

 勇み足は承知で、ここからはドンドン知るところを申し上げていこう。昨年上半期の不愉快ながらの流行語に「anywhere(上級国民)」ていうのがありましたね。このコトバが世の人に知られてしまったのは、インターネット時代の流れとはいえ、マスメディアの皆さんたちには結構な痛手だったと想像出来る。だって凄く言い訳がましかったよなぁ。左様、我々「somewhere(一般大衆=下級国民)」は、この世とは極々少数の上級国民と大多数の下級国民の二極構造である、って、少しは世の常識を疑ってみる機会ではあった。マスメディアのお役目と機能が上級国民社会を守るための用心棒である、という事を。今いちど世の中を見る眼を其の様に置き換えて見ると、マスメディアの行動様式にいちいち合点が行くようになる。都知事選のフラッシュバックから一つ取り上げようか?候補者のひとり、日本第一党の桜井誠氏は記者会見席上で、「キミ達マスメディアは視聴率ばっかり気にして、我々(日本第一党)のことを全く取り上げない。メディアとしての責任を放棄している!」と厳しく糾弾した。あぁ桜井さん逆でしょ。正にあなたのようなマイナーな候補者を貶めることこそメディアの役割です。立派な活動家である桜井さんがそんな発言したら、なまじ説得力がある分イパ~ン人は余計メディアの幻想から覚めないままになっちまう。マスコミュニケーション。マスメディア。新聞社&(TV)放送局。そしてその実、メディア業界の総元締めたる広告代理店。上級国民のための用心棒組織。それが彼等の本質である、と一度仮説を立ててみよう。大事な事だから二回言いましたよ、みのさん、池○アキラさん😀。という訳で、今後もメディアの喧伝内容を走査し検証していく記事を随時アップしていきます。

追記。ダニエル・ブーアスティンの著作は社会学の論文にもかかわらず非常に読みやすく凄く面白い。「幻影の時代」、お勧めです。

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