クラシック始めの一歩

鍵盤音楽
江戸時代の浮世絵に描かれたスカイツリー。の、音楽フラクタル。 バロック時代に演奏されていたジャズフレーズ。

 イキナリだが炎上確定的発言。「音楽に貴賤あり」。では『貴』とは何なり也?はい、クラシック音楽です。それ以外は十把一絡げ。「(ムカツクーーーッ😠)何いぃ、他は全部『賎』だっちゅうんか?それはオマエの主観だろ。てか偏見じゃん、完全に」。餅、仰せの通り。だが他人の主義主張を「主観だ」「偏見だ」と決めつけるのも、全く同じレベルで主観であり偏見である。人類はこの自家撞着から永遠に逃れることが出来ない。かくして音楽ジャンルはひたすら細分化してゆく。時にはまるで宗教的原理主義にまで陥る。其処に待っているのが衰退だけなのは、言うまでも無し、なのに ・・・

 クラシックは昔々の音楽です。馴染めないし、暗いダサい眠い。その通りだ。が、演奏家の皆さんは生活費を稼がにゃならんから、色んなアメとムチで以て人々に啓蒙する。左様、演奏行為の目的が、啓蒙が鑑賞を上回るという、他のジャンルには無い特徴を呈する。「如何でしたか?」「はい、プッチーニの蝶々夫人に対する思いやりの気持ちに感動して、思わず涙ぐんじゃいました。」う~んホントかよ。聴いてくれたのはありがたいし多少は積極的鑑賞姿勢、という点で立派でもある。が、啓蒙装置に頼った点で、受動的鑑賞スタイルの域からは抜けていないのではないか。別に音楽に限ることではないが、自発的なアクションを起こすことこそ、理解と造形を促進する最良の方法なのは当然ではないか。「そんなの分かってるわい。好きでもないモノに、どうやって積極的に取り組めっちゅーんじゃ!?!」。なのでクラシック理解養成ギブス的手順を、本日は一つだけ提案したい。

 実は相当なクラヲタでも、その実クラシックの「暗いダサい眠い」には、時として悩まされるものである。例えばシューベルトの器楽曲(つまり歌曲以外の曲)とブルックナーの交響曲を敬遠する層が、クラファン・クラマニアの間で相当厚いのは暗黙の了解である。ブルックナーは我が国当代トップのピアニスト・清水和音氏が「あんな(つまらない)の聴くなんて信じられない」と公言しているし、NHK交響楽団の終身常任指揮者だった故・岩城宏之は「どうしても好きになれない」と、何かの著作で言及していた。実はクラシック、単に古いというだけでなく、様々な時代を経た積み重ねのジャンルゆえ、そのスタイルの幅広さはとてつもない広大なものである。そして今回はスルーさせていただくが、暗いダサい眠いに加えて、どう仕様もないほどの「重さ」が加わる。つまり、結構イヤ気が刺すこともあるのだ。その時どうやって乗り越えるか、クラシックならではの、とっておきの鑑賞方法を使う。この方法を皆さんに伝授したい。そう、ヲタのマンネリ打破とは、心のブレイクスルーという点で入門方法をも兼ねるものなのだ。では具体的なアクションとは、どうする事か。

 あっけない程シンプルかつ簡単な行為である。些細な違いって、案外気になるものではなかろうか。だから「聴きどころの聞き比べ」。これをやるのである。ポップスと言わずロックと言わず、はたまたGSフォークと言わず、ポピュラー音楽は固有の演奏者が固有の持ち曲を奏する(歌う)のが一般原則だ。が、クラシックは全く正反対で、一つの楽曲に対して演奏パフォーマンスを競い合う。ここからは具体的な楽曲の例題を示すことで、手順を説明しよう。まず曲。ベートーベン交響曲第5番。いわゆる「運命」。必ずこの曲にして下さい。交響曲は4曲でもって1セット1曲換算する風習をもつ楽曲形式である。四曲全部の演奏時間は、当然ポピュラーものよりもずっと長大である(30~50分ほど)。「そんなの最後まで聴いてられっか!」その通り。だからそのうちの最初の曲(第一楽章、または冒頭楽章と呼ぶ)。これのスタートから僅か15秒だけで良い。それを極力出来るだけ色んな楽団・指揮者の組み合わせを聴きまくって、違いを感じとるのだ。最初のうちは、どれもみな同じにしか聞こえない。が二種、三種、四種、五種、・・・ と続けて行くうちに、ある音源だけ著しく異なって聞こえてくる瞬間が必ず訪れる。「わ、何だコレ?」どんなに背を向けて生きてこられた方でも、これは味わったことのない、ある種の感動であるはずだ。「運命」はピアノソナタ「月光」とともに、最も多くの録音がなされた曲である。当然凄まじい量のアーカイヴが残されている。youtubeでも直ぐ10数種類はヒットするし、spotify だと数百くらいあるんじゃあないだろうか。って無責任なこと言ってすみません、拙はspotify 利用していないんで当てずっぽうの数字です。まぁ、この「感動」を経験したら大丈夫、次の瞬間、貴方は一気に筋金入りレベルのクラシックファンに堂々と仲間入りです。後はレパートリーと深みを追求していく、新たな人生が貴方を待っている。そうそう、「運命」の演奏アーカイブ、カラヤンとかバーンスタインとか超有名なのは外しても、必ずフルトベングラー指揮ベルリンフィルの演奏だけは忘れないで絶対入れといてね。これ、最初に聴いてはダメ!映画のネタバレみたいになりますので、なるべく後ろにするように。ではまた!

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