京王散策(4) 新線の優等停車駅問題

首都圏交通事情(と言っても主に多摩地区)

 こんにちは皆さん、多摩雑報です。今回の内容は「聖蹟桜ヶ丘特急停車の理由」その2、みたいなものです。タイトルはご覧の通り全く別の問題を扱うんですが、言い訳体質はこの会社に深く染みこんでいる病巣のようです。少しカミングアウトすると、京王散策を始めると、アクセスが凄くスローになってしまったので、「う~ん、あんまり関心持つ人いないのかなぁ。」と落胆し、それが更新の手を引っ張っていた、という一面がありました。が、年明けになって案外この京王シリーズが読まれ出してきたので、やっと自信を取り戻してきた次第です。感謝申し上げます。

 さて前回、聖蹟桜ヶ丘(以下略称桜ヶ丘)を特急停車とした本当の理由が、同駅の自社(京王不動産)開発の分譲地による、不動産購入者への忖度であるのに其れを隠し、「一つの自治体に一つずつ特急停車駅を設定した」というウソをついて苦情をかわしていた事をご紹介した。京王側は一般社員も経営陣も、よほど上手な言い訳と思ったようで、社員の隅々にまで浸透させようとしているフシがある。5ちゃんねるの掲示板には時折「なんで桜ヶ丘に停めるんだよ、○○駅の方がずっと状況客多いのに」というコメントが投稿されるが、その度に必ず、「一自治体一駅だから」を反論とするレスポンスコメント投稿がなされるからだ。もっと呆れるばかりの理由をあげるコメもある。「(桜ヶ丘)駅は多摩川橋梁を最短距離で渡るために急カーブしているから、通過しても所要時間は殆ど変わらない。」とか言っている。こんな投稿でさえ、味方になっていると思っているのだろうか?うん思っているんだよね。

 しかし、「何で社員による苦し紛れのクレームって言い切れるだよ?」と、突っ込みたい方もおられよう、確かに。が、絶対 100% とは言い切れぬも、筆者には同様の経験、すなわち語るも愚かな返答を社員から返されたことがあるからこその確信なのである。ご紹介しておく。

 1978年(昭和58)、新宿 ⇔ 笹塚間 3.6㎞ の新線が開通した。そして元々は従来線(以下略称本線)にあった2つの途中駅である初台と幡ヶ谷を、この新線側に設置し、本線の方は廃止した。つまり本線の新宿 ⇔ 笹塚間は各停でも無停車となったのだ。かたや優等列車のうち最下位優等である「快速」は原則として新線経由というダイヤ編成にした為、各停は新宿と笹塚をノンストップ運転、逆に快速の方が初台と幡ヶ谷の両駅に停車するという、逆転現象が発生した。新宿 ⇔ 笹塚間の所要時間は、途中に停車駅の無い本線の方が早いに決まっている。いよいよ開通日の前日、新宿駅の何カ所かで、駅員による説明が行われていた。そこで私は単刀直入に切り込んだ。

「快速が初台と幡ヶ谷に停まり、各停が通過する、というのはどう考えてもおかしい。なぜ各停が新線、優等が本線という具合に完全分離しないのか?」それに対する担当駅員の回答がこれ ↓

「新線は全く京王線とは全く別の、新たに作った線です。異なる線路ですから運転系統も別のものです。」

ウソ付け!どんな素人が見たって、「本線が急行」で「新線が緩行」の「複々線化」だろうが!快速も初台と幡ヶ谷を通過させれば済むことのはずだ。が、それは絶対に出来ないのだ、京王の経営方式では。当時、各停は 1h 当たり9本の運行設定だった。だから新線も(新線)新宿と笹塚に9本の各停を設定することになる。が、両駅を快速が通過すると、新線は 12/1h となり、車両運用が大幅に増加してしまう(a)。また新線は全区間が地下区間なので、通過駅には優等通過のための安全設備が必要になる(b)。さらに、信号系統も単式では無く、複式にしなければならない(c)。つまり快速の通過運転を実施するには、(a)+(b)+(c) の追加設備投資が必要となる。それをケチった結果が快速は停車、各停は通過、というバカげたダイヤの施行となったのだ。

 が、問題はそういう事ではない。初台と幡ヶ谷は京王(帝都)電鉄の開業以来、ずっと各停駅であった。ターミナルである新宿の隣接・近接駅であり、さほどの乗降数がある訳でもなく、ましてや新宿への時短には全く影響しない。当然である。それが(a) ~ (c) の設備投資をケチる、という、京王の一方的な経営方針によって、何の努力もなく初台と幡ヶ谷は快速停車駅に昇格したのだ。桜ヶ丘の特急手停車と同様、両駅よりも乗降客数を上回る各停駅は(当時は)何駅もあったにもかかわらず、だ。

 結果としてどういう事態を招いたか。各駅の利用客が、それぞれ自己エゴで優等列車の停車誘導を京王に向けることになったのである。当然であろう。全く理不尽な理由で初台・幡ヶ谷を昇格させたのだから。しかも口が裂けても「(a)+(b)+(c) 投資をしないことによる、ドケチダイヤです。」という本当のことは言わず、「複々線ではありません、別線です。」と、噴飯ものの言い訳で逃れられると思っている。

 以来、間もなく半世紀を向かえようとしている。その後初台は国策による総合地域開発であるオペラシティとなり、有名・大企業のオフィス街となって乗降客数は大幅に増加した。今さら通過運転は不可能だろう。だから多摩ニュータウンとのアクセス時間は本線よりも絶対に短縮化することは永久に出来なくなった。折角の地下鉄都営新宿線との相互乗り入れ運転の乗入れ効果を削がれているのである。そして停車駅問題はあちこちの駅で乗降客同士の対立を産み出すことになるのだ。その最たるものが、「つつじヶ丘急行停車」である。次回、それについて述べよう。ではまた!

コメント

タイトルとURLをコピーしました