芦花公園駅に追補あり、重要な!

首都圏交通事情(と言っても主に多摩地区)

 こんにちは皆さん、多摩雑報です。引き続き京王線の通過難民駅問題を取り上げます。芦花公園駅について、補足したいことを論じます。確かに芦花公園駅の乗降客数は芳しくありません。だから「そんな雑魚かまっていられるか」と少しも悪びれることが無い。が、当駅が利用されない事態は、京王電鉄自体が招いているのです、それも確信犯で。しかもこういう現象、最近になって他社線でも見られるようになっている。何故なのか?考察したところを述べましょう。

 前回、芦花公園を救済することは簡単ではなく、非常に多大なインフラ投資をしないと実現しない事を論じた。私の提案内容を整理すると ・・・

a) 笹塚(新宿起点3.6㎞) からの各停が、芦花公園(9.1㎞) まで優等に抜かれないダイヤとすること。

b) それには芦花公園にこそ、待避構造が必要であること。

c) しかし、芦花公園の通過待ちを無くす為だけの理由で、待避設備を設置するのは、対費用効果が悪すぎる。

ならば一番低コストで有効なダイヤが組めるようなインフラ投資であるべきか、を検討すると、

◇烏山を上りのみ待避線を設置し、八幡山(8.4㎞) ⇔ 芦花公園 ⇔ 千歳烏山(9.9㎞)の、延べ2㎞弱を3線複線化すべし。

という結論に至らざるを得なかったのである。この私案を「1万人台の雑魚駅に、そんなムダな投資をやれ、ってプラレールいじっている鉄ヲタの発想だな」と莫迦にしくさるであろうことは、当方もちろん十分想定内である。そんな事は百も千の万も承知の上での案なのだ。これも前回述べたことだが、烏山と明大前は高架工事とともに、2面4線に改良することになっている。が、これこそ対費用効果の悪いことこの上ない設備なのだ。まず、笹塚からつつじが丘(12.5㎞)まで明大前・桜上水・八幡山・千歳烏山・そしてつつじが丘と、一つ飛び毎に待避線駅を持つことになる。これほどの投資をしても、芦花公園の通過待ちを無くせないのだ。だから、この改良計画こそコストをかける割には、利便性が向上しないのだ。拙案でも無論、烏山は2面4線にするに越したことは無い。が、工事完成後のインフラを駆使してダイヤを引いてみても烏山駅、上りはともかく、下りは大した効果を生まないのは明確なのである。ここで言うところの「効果」が、平均時間損失であることを、もう皆さんはご理解できるであろう。だから副本線は上りだけにして、4線にしなかったコストの分は、八幡山 ~ 烏山の3線分に回せ、という事なのである。「そんなものイコールなんてもんじゃない、どれだけ余計にカネがかかると思ってるんだ」と、こちらを無知無能の決めつけではねのける。出費が大きく増額することなど分かっているに決まっているではないか。だから完成した暁に得られる利便性で比較せよ、と述べたまでである。それが本当の「対費用効果」のはずだ。

 が、電鉄側、烏山2面4線化の方が大した利便を生まないことは、十分わかっているのである。では何故、決して1円たりとも設備投資をしない京王が、今回の高架立体化事業で、大きく自腹を切っての構造に踏み切ったのか。もう答えは火を見るより明らかで、語るもかったるい。高架完成後に、全線地下方式の複々線となる線増工事をする計画を発表しているのだが、それをやる必要がなくなるようにしておきたい、という事だ。京王にとっては、それが最大の理由にして最小のコストで済む「対費用効果」なのである。

 この線増計画案自体は、中々ユニークなものである。急行線は笹塚から地下を上下分離の2段構造 (註.厳密には少し違う。シールド工法によって地下に上下2線をつくる) で地下線とし、つつじが丘で地上に出て一旦合流、その後ふたたび地下に潜って調布に到着する。つまり途中に駅を一つも設けないで、工費を節約しようというものである。これが出来たら、流石に現状のほとんどの問題は解決してしまう。(京王)八王子・橋本・高尾(山口) へ3本ずつ、計9本の特急を設定して線増線へ走らせ、在来線は各停6~ 8本で十分だろう。もちろん芦花公園は待避ナシで行けるようになる。まあ調布までの全ての駅が無待避になるわけだが。現状の優等が停まる駅は新宿からの所要時間は伸びる。が、大したことではない。烏山が6分ほど遅くなる以外に、被害とも言えるレベルの長時間化は発生しないのである。

 この複々線計画は2012(平成24)年の沿線説明会で京王電鉄社員自らが説明、けっこうな話題となった。ほとんどの沿線住民も鉄道マニアも、まさか京王が新宿から調布までの15㎞以上に及ぶ複々線を作ろうという意思を持っているなど、思いもよらなかったからだ。否、京王を知る者ほど、京王がそんなインフラ投資計画を公表することが、最早驚きですらあった。

 が、案の定である。うまい話にゃウラがある。これもその内に必ず取り上げるつもりであるが、この計画案は全くのブラフだったのだ。その後の沿線説明会で、複々線工事の工法で作る作らない以前に、工事自体が不可能であることがバレてしまったからである。が、当初からこのblogをご閲寄りの方は、既に顛末を覚えておられよう。この地下線用の地下道は既に存在している。何故じゃあ複々線を作りますなんて言ったのだろうか?知る由もないし興味もない。が、絶対正解の自信があるので、一応言っておこう。そう言えば行政のウケが良くなるからだ。「いや違う、それ以外にある」?なら言ってミソ(笑)。

 まだまだ語らねばならない事が沢山あるのだが、今回は芦花公園が不便になってしまった経緯について簡単に触れておく。各停のみの停車とはいえ、特急の運転開始となった1963年から暫くは、それほど不便ではなかったのである。特急ばかり注目されるが ~ それは仕方ないが ~ この年のダイヤは優等種別の再編も行われている。特急・急行・快速・各停の4種を基本に、通勤時間帯は急行が通勤急行(註.上りのみ)に、そして快速が通勤快速となって急行・快速と千鳥停車設定するという、非常に合理的な車種であった。桜上水は急行停車駅だから当然快速系統も止まる。だから芦花公園は上下とも桜上水で急行と快速を接続し、各停の所定時分である17分(註.当時)よりも3分の時短が図られている、緩急結合を実現した、理想的なダイヤだったのである。それが2001年の白紙的なダイヤ改正で、接続ナシの通過追い越しで19分以上になってしまったのだ。如何にひどい改悪をされたか、鉄道に疎い方でも一目瞭然だろう。そして京王のみならず、2001年以降は各鉄道会社、主に首都圏の民鉄ではこういう現象がどんどん起きている。京浜急行電鉄もそのひとつである。たまには他社線を見るのも良いかもしれない。次回は京急を考察しよう。ではまた!

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