JUST2年後、2023年3月31日まで

首都圏交通事情

 こんにちは、多摩雑報です。今回も一応京王に関連するネタではありますが、こちらさんの批判がメインではありません。以前upした、ユリコ都知事の公約の一つである「多摩格差解消」の折りに、そのうち皆さんと一緒に考えたい問題とした宿題について、その回答というより、思うところを徒然に述べて見たいと思います。でも結局は厳しい眼で見ざるを得なくなるんですけどね、京王を。ハハッ!

 ふと気付けは3月を終え、4月を何日も経過している。↑ の日付は何かというに、京王線笹塚・仙川間連続高架立体化事業の事業終了日のことである。事業終了年度を「2022年度」としているので、2022年12月31日までか、と思うわけだが、年度の開始日を4月1日としている我が国の慣習に習えば、2023年3月31日ということになる。つまり2年を切ったのだ。京王は宴もたけなわの「工事中です」アピールをしているが、現時点(2021年1月)での工事用地取得率は70%程度である。つまり残り3割は用地買収が済んでいないという現況である。本格的な着工など出来る訳がない。現に高架化による立体化だというのに、ただの1本も柱とおぼしき建造物は建てられていない。全くの未着工状態である。用地買収は2012年くらいから始めているので、年に10%程度の進捗率である。だから用地の完全取得だけで残り2年間の事業年度を使い切ってしまうのは必須だろう。が、今のところ「遅れます」と決して言わないのが、いかにも京王クオリティである。「遅れる」と言わないでおいたのだから、「ウソはついていない。」としたいのだろう。京王に限らない。凡そ殆ど全ての鉄道会社がそういうものだ。が、今日はそれを咎めるのが目的ではない。もっと検討すべき問題を提起したい。

 鉄道の立体化事業の主体は鉄道会社ではない。当該工事箇所の自治体である。これが一般人には非常に理解しがたい。だから開かずの踏切を解消せよ、と鉄道会社に陳情する。が、鉄道会社は「それは私たちの決めることではありません。」と言って陳情者を追い返す。そう言われても鉄道会社が自分の所有する路線の踏切を自ら無くそうとしないのか、簡単には納得出来ない。かたや陳情する一般市民を「そんな事も知らんのか」と、まるで常識ナシのように罵る者が必ずいる。が、これは罵る者こそ傲慢極まりない。そんな特殊な知識、持っている方が明らかに少数派ではないか。一般市民は、むしろ鉄道会社からの「立体化されます」というインフォによって、初めて行政主体で行われることを知るのである。

 が、立体化の決定 (或いは否決) に鉄道会社の意思が全く反映されない、というのも随分とおかしなシステムではないか。もちろん鉄道会社にとっては出費になるだけであり、踏切運営のコストと踏切事故の心配が無用になる以外に大したメリットは無いから、本来乗り気では無いだろうが、それでも、インフラの抜本的な改良を要する場合、鉄道会社主導型の立体化事業としても良いはずだ。つまり事業主体は、工事費の出す比率によって適宜決める方が、鉄道会社はもとより自治体・沿線住民及び周辺の商業事業者三方が皆 Win win の関係になるのではないだろうか。

 他方、実は高架立体化事業が完成しても損にも得にもならない、見えざる多くの人たちもいる。誰か?立体化事業区間から離れた地域 (てか駅) ~の利用者である。工事区間よりも遠方の乗客たちだ。既に何度も触れているように、明大前と千歳烏山の両駅は、現状の2面2線から上下線とも副本線を持つ 2面4線に改良されることになっている。そして遠方利用者からすると待ち望んでいるのは立体化ではなく、こちら両駅の改良である。踏切が開かずであろうがなかろうが、その場所に住んでいる訳では無いから、何の恩恵も損失もない。が、駅設備の向上は、現在世界一(日本一では無い!)遅い朝のラッシュ時の走行速度を、ある程度速められる効果をもたらし、満員電車の苦痛時間を軽減出来る。だから「高架化反対、地下方式にしろ」と言う主張で立ち退かない住民を憎悪せざるを得なくなる。彼等からすれば、地域エゴ以外の何者でもない。

 拙も事業区間からさほど遠方とは言えぬも、駅施設の具合で新宿への到達時間を大きく左右される駅の利用者であるから、心情的に遠方客の方々と想いは一緒ではある。が、自分が事業区間付近の住民であると想像するに、やはり立ち退きには二の足を踏むだろうし、その地に住み続ける権利の侵害には違いない、とも想うから、あまり恨む気持ちにもなれないのである。そこで一つのトリックに気付く。立体化しないと、駅の改良は出来ないのだろうか。踏切があっても平地のままでも、駅設備のインフラを強化することは不可能ではないはずだ。京王線の場合、せめて明大前と烏山の上りだけでも副本線があれば、それだけで優等種別は4分ほどの時短をすることが出来る。が、そのためだけに用地取得をするのは、流石にムダな投資となる。だから自治体が都市計画に則った立体化計画を受け身的に待つだけとなり、それが気付けばウン十年、という途方もない年月をもたらすのだ。しかも尚、完成までの道のりは遠い、あまりにも。

 では如何にすべきか。完成には恐らく、少なく見積もって8年はかかる。まぁ、10年と見ておくべきだろう。遠方客はそれだけ苦痛が続く、という事である。10年の内に多くのビジネスマンが退職していく。朝の京王のノロさは新卒にも知れ渡り、敬遠に拍車がかかる。他方、他社線はどんどんインフラが整備され快適になっていく。多摩地区を新宿に向かって東西に走る、という点で西武新宿線と京王線は似た性格を持っている。が、都心部(と言っても中野区だが) の立体化事業は確実にこっちの方がずっと早期に竣工する。幸い今の西武経営陣は様々な困難を乗り越え、非常に利用客本位の目線を持った人たちだ。~ K山K一とエラい違い!~ ダイヤを始め、抜本的なサービス改善に着手してゆくだろう。遅れて完成してみれば京王線、いくら明大前と烏山が立派な駅に生まれ変わっても、1時間21本の過密運転を止めることは出来ず、快速や区間急行の下位優等は、相変わらず新宿⇔つつじヶ丘12.5㎞を日中も各停と同速の平行運転。ところが周辺道路は踏切が無くなったおかげで速く快適に走れるようになり、相当数がクルマ利用に移行しよう。既に調布市内はその移転がドンドン進んでいる。調布の駅の余裕は、それで生まれている。のっぴきならない事態になるまで、経営陣は気付かぬだろう。遅々として進まぬ高架立体化事業。ではどうすべしか。機会あらば、過去記事「多摩格差、その具体例(1)」及び「(2)」をご参照あれ.ではまた!

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